海の恵みが世界で問題児に!ワカメをめぐる知られざる攻防戦う

kitasato-u.ac.jp
私はおよそ30種類の海藻が主原料の「発酵水」(海藻発酵エキス)を、手づくりで醸造しています。
あまり知られていませんが、海藻は日本近海だけでおよそ1,500種類あるとされ、世界ではおよそ13,000種類以上あるとされています。(諸説あります)
そして、世界でもっとも海藻を食べている日本でも、1,500種類もある海藻の内のわずか30種類ほどしか食べていないと言われています。
コロナ禍以来、何かと話題に上る海藻ですが、その多種多様で豊富な栄養素の中でも、やはり今一番注目されているのは「水溶性食物繊維」(粘性多糖類)ではないでしょうか。
あの海藻独特のヌルヌル成分のことです。
それが免疫力を高め、感染症の予防や様々な現代病に役立つと考えられています。
この水溶性食物繊維は私たちの小腸の消化酵素では分解することができないため、大腸へと送られます。
→そこでビフィズス菌などのエサとなり、「短鎖脂肪酸」を産生します。
→そして免疫力アップをはじめ、腸活や幾つもの素晴らしい働きをすることで脚光を浴びているのです。
※短鎖脂肪酸については、近日中にとりまとめて、記事にしたいと思っています。
今日は日ごろ私たちがよく食べている海藻の代表格の一つのワカメの話題です。
健康志向で海藻が世界に広がりを見せる一方で、残念ながら、多くの国々では侵略的外来種として駆除されているといいます。
やはりこの問題を解決するには、一番は様々な食用としての利用が望まれ、そして医療や美容関連などへの用途開発の研究が期待されます。
これらの問題について、Yahoo!ニュースさんの記事を、下記のアドレスからご覧になり参考にされてください。
※一部編集致しました
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海の恵みが世界で問題児に!ワカメをめぐる知られざる攻防戦う
TOUYA 化学系研究者
2024/10/29(火) 12:01
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/79fb0687015a6a0e3cfead801b105c02933a9f95
日本の食卓では健康食材として親しまれているワカメですが、世界の多くの国々では侵略的外来種として扱われ、駆除の対象になっています。
同じワカメに対して、なぜ日本と世界で評価がここまで異なるのでしょうか?
今回は、ワカメが抱える環境への影響や、各国の取り組み、日本市場の新たな展望について詳しく解説します。
1. 日本でのワカメ:文化と経済を支える重要な資源
日本では、ワカメは食文化の一部として、味噌汁や酢の物、サラダに使われる定番の海藻です。
栄養価が高い:
カルシウムやビタミン、食物繊維が豊富で、免疫力向上や美容効果が期待されるスーパーフードとして人気です。
地域経済を支える養殖産業:
三陸地方や瀬戸内海などで盛んに養殖されており、多くの地域で経済の柱として重要な役割を果たしています。
日本においてワカメは「海の恵み」として長年愛され、食卓や地域の漁業を支え続けています。
2. 世界でのワカメ:侵略的外来種としての脅威
一方で、ワカメは日本以外の地域では「海の雑草」として問題視されています。
もともと日本や朝鮮半島沿岸に生息していたワカメは、船舶のバラスト水に含まれた胞子を通じて世界中に広がり、欧米やオーストラリア、ニュージーランドで生態系への脅威とされるようになりました。
「侵略的外来種ワースト100」に選定
ワカメの天敵が少ない地域では、生態系のバランスを崩し、魚介類の成長を妨げています。
漁業や観光への悪影響:ワカメが増殖することで漁網に絡まるなどの被害が発生し、漁業活動を妨げています。

3. ワカメを有効活用する新たな取り組み
ワカメは「厄介者」として扱われる一方で、最近ではその有効活用を模索する動きも見られます。
① ワカメ活用の広がり
化粧品や健康食品:
ワカメに含まれるミネラルや成分を利用した美容製品やサプリメントが注目を集めています。
バイオ燃料や肥料としての活用:
廃棄や駆除したワカメをリサイクルし、持続可能な資源として利用するプロジェクトも進行中です。
② 環境保護と海藻の持続可能な活用
海洋資源としての注目:
海藻類は、二酸化炭素を吸収する「ブルーカーボン」として、国連環境計画(UNEP)でも海藻類の価値が高く評価されています。
ヨーロッパでの取り組み:
環境保護の観点から、海藻が「持続可能な食材」として注目されており、海藻の利用を通じて、持続可能な未来の実現が期待されています。

まとめ:ワカメは宝か厄介者か?未来の資源としての可能性
ワカメは、日本では食文化や経済を支える宝ですが、海外では生態系を脅かす侵略的外来種として見られるという、国によって評価が大きく異なる存在です。
今後は、各国が協力してワカメの有効活用法を模索することが求められています。
日本のように、食材としての価値を世界に広めることで、ワカメを「厄介者」ではなく「資源」として活かす道が開かれるかもしれません。
環境問題と資源活用の両立を目指し、ワカメがもたらす豊かさを未来に受け継ぐための取り組みに注目が集まっています。
TOUYA 化学系研究者
東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの医学系研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。科学やAIを活用したお役立ち情報を書いていきます!
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