ゲルハード・シュラウザー博士 塩分摂取への大きな誤解
塩の様々なことについて知ったのは30年ほど前になります。
海塩や岩塩などの自然塩、そして精製された化学塩、また海藻からつくる藻塩などのことを知り、塩と健康と病気の関係などを学びました。
今、日本をはじめ世界中に数えきれないほどの塩の種類があります。
体に良いとされるものや悪いとされるもの。
塩を選ぶさいに、迷う人も多いのではないでしょうか?
塩に対する視点を、塩分摂取としてとらえるのか?
あるいはミネラル摂取としてとらえるのか?によっても随分違うと思います。
私が今の時点で思いますのは、まず塩分摂取については、日常の食べ物や飲み物から必要な分は摂れていると思えますので、通常の食生活で大丈夫だと思っています。
ただし、減塩を徹底している人はこの限りではありません。
昔の日本人は1日に30グラムの塩を摂っていたとも言われ、それが現在は1日10~11グラムとも言われています。
塩分摂取量は3分の1に減ってしまったようです。
なるほど、そういわれてみると、50年前の日本人の平均体温が36,89度±0,34だったのに比べて、現在はというと36,5度以下、さらに35度台の低体温の人も多いといいます。
陽性のエネルギーの塩が十分に摂れている人は、体温が高くて健康で、快活で明るく、よく笑い、キビキビ・テキパキと行動的とされています ⇒ 陽性体質
反対に塩が不十分な人は、体温が低くて病気がちで、おとなしく、あまり行動的ではないとされています ⇒ 陰性体質
それでもやはり塩の摂りすぎが気になるという人には、良質の天然自然塩を摂ることをおすすめいたします。
なぜかと言いますと、多種多様なミネラルバランスがとれた自然塩は、それらのマルチミネラルの総合作用により、塩化ナトリウムによる塩の害を中和してくれると考えられているからです。
でも微量ミネラルの世界的な権威のゲルハード・シュラウザー博士は、「今日、一般的には信じられていませんが、精製塩は本質的に有害ではありません」とお話されています。
なぜかというと・・・・・
続きは「塩とミネラル」の下記の記事をご参照ください。
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『ミネラル革命』
ゲルハード・シュラウザー著 山本俊一訳 コスモトゥーワン
今日の医学が犯した塩分摂取への誤解
スナック・フード製造業者やファスト・フード産業は異食症やつまみ食いの習性、糖分や塩分への欲望をよくわきまえていて、ふんだんに塩を振りかけたり甘くしたりして食品の売り上げを伸ばしています。
困ったことに、人間の体は一時的な塩分や糖分の摂取で、必須ミネラルが満たされたと解釈します。
塩分の摂取については、以前なら、異食症を抑えるために価値のあることでした。
精製されていない塩には少量でも微量ミネラルが含まれていたからです。
今日、一般的には信じられていませんが、精製塩は本質的に有害ではありません。
ただそれを摂取するさい、私たちの体が「十分なミネラルを摂取している」と錯覚してしまうことに問題があるのです。
まさに、「ゼロカロリー・ダイエット」のミネラル版です。
タンパク質、必須脂肪酸、ビタミンを摂取しなくても、小麦粉と糖分で加工された食物が空腹感を満たしてくれるように、精製塩は体に十分なミネラルを摂取していると思い込ませてしまうのです。
酪農家は動物が塩分を欲しがるのを利用して、微量ミネラルの混入された塩のかたまりを家畜に与えます(それには少なくとも85%塩化ナトリウムが含まれている)。
家畜は好きなだけ塩を消費しても高血圧になりません。
塩を十分に摂ることは、適切なミネラルの摂取を保証するものであり、高血圧を引き起こす心配はないのです。
まっ先に酪農家が家畜に与えるのは塩のかたまりなのに、ほとんどの医者は「できるだけ塩分を抑えろ」と私たちに教えます。
しかし、アメリカ農務省の発表では、幼児、ティーンエージャー、成人、老人を含むほぼ95%のアメリカ人がミネラル不足であるといわれます。
1993年7月、アメリカ中西部と東海岸部では摂氏40度を超える暑さで何千人もの人が卒倒し、733人が死亡した。
この猛暑での死亡があまりにも劇的だったため、海外で戦死するアメリカ兵のように、新聞には死亡者累計が記載されました。
「死亡者や入院患者の半数はエアコンを持っているのに、なぜこんなに多くの人が猛暑にやられたのかわからない」とペンシルベニア州の医療検査官は語っています。
たしかに日陰でも摂氏40度を超える酷暑の砂漠地帯に何百万もの人が住んでいることを考えると奇妙なことです。
彼ら砂漠の民はエアコンを持ちませんが、熱で死亡することはありません。
では、遺伝的な抵抗力に違いがあるのでしょうか。
この災害の原因は明白でしたが、医療専門家は誰一人として適切な警告を発しませんでした。
ワラック博士は、アフリカのカラハリ砂漠で過ごした体験から、基本的な生理学と病理学にかなり精通していたため、酷暑による死亡が何よりも塩やナトリウムの不足によって引き起こされることを知っていました。
ボーイスカウトなら誰もが理解していることですが、熱射病は塩と水で治療可能な疾患です。
つまり、単なる塩分不足で多くの命が奪われたのです。
実際、この酷暑で死亡した人のほとんどは、塩の摂取を規制する食事療法を行なっていました。
これはまさしく医者によってもたらされた人災だったと言わざるを得ません。
低ナトリウムの食事で著しい効果が現れるという検査結果はいまだかつて存在しません。
この惨事はいってみれば、医療専門家の塩分に対する被害妄想が引き金になって起こったものです。
つまり、高血圧と心臓病には低ナトリウムと低塩分の食事療法が必要だと言って、医者は多くの人命を奪ってしまったのです。
この猛暑の災害から1週間後、診察医は「死亡、入院の原因は、心臓病と高血圧にあった」と公表しました。
しかし実状は、死亡した人の多くは低塩や無塩食事療法を行なっていて、回復した人は「塩水」の点滴を受けていたのです。
熱帯地方の国々で戦争に参加した兵士が死亡するのは主に、塩分喪失が原因です。
砂漠の兵士たちは最高1日1,3リットルほどの汗を出しますが、その中には70~100グラムの塩分が含まれています。
塩はもっとも一般的に使われるサプリメントで、人間の健康や生命維持のために不可欠なのです。
にもかかわらず、現代の医者たちは、塩を危険視しています。
塩は1日平均6~10グラム必要であるにもかかわらず、医者の勧告に忠実に従い、1日に1グラムしか塩分を摂取しなかったら、心臓発作を起こす危険性は6倍に膨れ上がってしまいます。
しかも塩の摂取を規制する食事療法は、塩だけでなく、一緒に含まれる他のミネラルの摂取も抑えてしまいます。
元素周期表には75種のミネラルがありますが、すべて人間の血液や体液内に存在します。
これらのうち60種は直接的、または間接的に、人間や動物の生理機能に関与していることもわかっています。
私たちが認識しようとしまいと、ミネラルは私たちの生命のカギを握っているのです。
今日の医学が、塩について誤解し、異食症を認識しようとしないのは、何よりもミネラル欠乏の影響を正しく理解していないことを如実に物語っているのです。
ゲルハード・シュラウザー
カリフォルニア州サンディエゴ大学名誉教授。
生物無機物学者国際協会会長。生物微量元素研究所所長。長年に渡り、生物無機化学という新しい専門分野の開拓者の一人として広範囲にわたる研究に取り組んできた。
特にビタミンと微量必須栄養素、なかでもセレニウムの生体内機能に関する研究やガン予防に関する研究で世界的に高く評価されている。すでに300以上の論文や評論を学会誌に発表。著書も多数。
1994年に「フランク・マックファーレン・バーネット記念臨床腫瘍免疫学賞」を受賞。
ノーベル賞公式推薦人としても知られる。
また、南京大学(中国)、大阪大学医学部、産業医科大学の客員教授も兼任。
1997年には西安医科大学名誉教授にも選任。
米国がん研究協会、米国栄養協会、米国栄養学会、臨床学者協会、米国化学協会などに所属。
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