木が自分の身を守る「フィトンチッド」の不思議
昨日ブログ用の写真を撮りに地元の高草山の麓を散策してきました。
名前がまったく知られていないような地元の神社に立ち寄るのが好きです。
※写真1枚目がその神社に隣接した林道です。
思いっきりフィトンチッドを浴びて、体の中に充満してきました。
また、思いのほか、晩秋にもかかわらず、たくさんの花々や果実を見つけることができました。
今日初めて気づいたのは竹やぶが奏でる独特の調べです。
静寂の中で響き渡り、1/f ゆらぎに癒されました。
またビックリするほどたくさんのトンボさんたちにも遊んでもらえました。
仕事漬けの毎日、このような時間も大切だなと改めて感じてとても良かったです。
さて、これまでも植物や樹木、森などが持つフィトンチッドやマイナスイオンの働きについて、いくつかご紹介してきましたが、今日は木や森、植物が放散する癒しの芳香物質として知られる「フィトンチッド」の数々の素晴らしい働きについてお伝えいたします。
凄いですね。自然の力、植物の不思議は、今回も驚かされるばかりです。
樹木が自らの身を守るだけではなく、私たち人間に与える様々な効用、そしてさらに人間以外の普段の生活にも与える様々な効用、そして地球浄化にも多大な貢献をしてくれています。
植物についてACORNさんの記事はとてもわかりやすく、そして夢があります。
それではACORNさんの記事をご紹介させていただきます。
元記事は下記のアドレスからご覧ください。
木が自分の身を守る“フィトンチッド”の不思議
ACORN編集部 2018年11月12日
http://acorn.okamura.co.jp/topics/column/2018/11/12/fitonchiddo/
フィトンチッドは樹木や森の敵から自らの身を守るバリアー。
木々に囲まれた小道などを歩いていると、木の香りにふと癒されたりしませんか?
特に深い森の中には、街中では決して感じることのない独特な匂いが漂っています。
この香りの正体は「フィトンチッド」と呼ばれるもの。
樹木などが発散する揮発性芳香物質で、じつはヒトや私たちの生活にとても有益な効能があるのです。
樹木が発散するフィトンチッドの不思議なパワーについてちょっと探ってみましょう。
■「フィトンチッド」は植物が自らの身を守る力
植物や樹木は、害虫や微生物など外敵に襲われてもその場から逃げることができません。
そこで外敵を寄せ付けないために、また傷つけられたときに病気に感染しないよう、自ら殺菌作用のある物質を放出し、身を守る能力を備えていることが近年の研究で明らかになっています。
「フィトンチッド」(phytoncide)はそうした殺菌作用のある物質の総称で、1930年頃の旧ソ連時代、レニングラード大学のロシア(当時、ソ連)人教授、ボリス・ペトロビッチ・トーキンという生物学者によって発見され、命名されました。
トーキン先生は、樹木が傷つくと周囲の細菌や微生物が死ぬことから、このとき樹木は特殊な揮発性物質を発散しているのではないかと考えたのです。
ちなみに「フィトンチッド」とは、ロシア語で「phyto=植物」+「cide=殺す」をくっつけた造語です。
動物の死骸や腐葉などを浄化するパワーを秘めている。
傷つけられると揮発性の殺菌成分を放出。
それが「フィトンチッド」。
■森林浴で「フィトンチッド」がヒトにもたらす効果とは
「フィトンチッド」は主に木の根や幹の中に含まれ、多くは葉から大気中に発散されていきます。
植物が“殺す”などと聞くと、なにやら物騒な感じがしますが……、でも大丈夫!
幸いにして、「フィトンチッド」はヒトにとってさまざまな有益な作用を及ぼしてくれることがわかっています。
英語では森林浴のことを「Ablution with phytoncides」といいます。
直訳すれば、「フィトンチッド」による沐浴。
森林浴とは、ずばり「フィトンチッドを浴びること」と言い切っているのですね!
森林浴は人の健康にとても有益であり、ドイツでは森林浴をちゃんとした医療行為と認めているのだそうです。
ちなみに最近では、「柔道(judo)」などと同様、「森林浴(shinrinyoku)」は英語でも通用するようです。
「フィトンチッド」が人体によい影響を与えるのは、そこに含まれる揮発性物質のテルペン類が部分酸化するときに出てくるマイナスイオン物質の作用によるといわれ、次のような効果が認められています。
・リラクゼーション(精神の安定)
・大脳皮質の活性化
・高血圧の抑制
・神経系の緩和
・皮膚病・呼吸器系疾患の改善
・アレルギー性疾患の予防、回復ほか
「フィトンチッド」はヒトの副交感神経を刺激して精神を安定させ、解放感、疲労回復、ストレスの解消などをもたらします。
また、がん細胞を攻撃して排除する免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる働きもあるといいます。
フィトンチッドは特に午後、地面近くに降りてくる。
ゆったり寝そべって森林浴しよう。
■生活のなかにも「フィトンチッド」によるさまざまな恩恵が!
人体に与える影響ばかりではありません。
「フィトンチッド」が備えているほかの素晴らしいパワーについても、いくつか列挙してみましょう。
1)殺菌(除菌・抗菌)作用:
殺菌は「フィトンチッド」発見のきっかけでもあったわけですが、じつは樹木が攻撃しようとしているのは害虫や有害な病原菌(大腸菌や黄色ブドウ球菌など)だけ。
微生物でも無害なものに対しての作用はほとんどないといわれます。
このような自分にとって有害か無害かを選別する能力も、樹木が長い年月をかけて備えていった自然の不思議な力なのでしょう。
現在、シダやヒバなどが発散する芳香族化合物であるヒノキチオール(フィトンチッドのひとつ)が、院内感染の原因菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌への抗菌作用を持っていることが明らかになり、利用されています。
昔から、ヒノキの家が健康によいとされるのも、ヒノキの「フィトンチッド」による殺菌効果があるからでしょう。
2)消臭効果:
「フィトンチッド」は悪臭を放つ成分に付着して分解し、無害化してしまいます。
これは「分解中和消臭」と呼ばれる作用です。
本来なら動物の死骸や腐敗植物で悪臭が漂っているはずの森の中に爽やかな空気が広がっているのは、「フィトンチッド」の消臭パワーによるものであり、森の自浄作用のひとつです。
3)抗酸化作用:
「フィトンチッド」には食品の腐敗を遅らせる働き(抗酸化作用)があり、昔から人は植物の葉などを食物の保存に利用してきました。
例えば、ササ団子やカシワ餅、サクラ餅。お寿司ならササ寿司やマス寿司、カキの葉寿司など。
お寿司屋さんのネタケースの中にもサワラやヒノキといった針葉樹の葉が入っています。
昔の人は、化学的な知識はなくても、経験から植物による食品保存の力をちゃんと理解していました。
現代流にいえば、これらは植物の葉から放出される「フィトンチッド」の抗酸化パワーを利用していることになります。
「フィトンチッド」は樹木の種類によっても成分はいろいろですが、現在はそこに含まれるテルペン類や芳香族化合物、脂肪族化合物など化学的な研究が進み、消臭剤や除菌剤など「フィトンチッド」のパワーを利用した製品も数々つくられています。
■地球すらも浄化する「フィトンチッド」
地球上に自生する植物や樹木の量は膨大であり、それらのすべてから放出される「フィトンチッド」の量は今日約1億5,000万トン!
これは世界中の工場排煙やクルマの排気ガスなどの6倍に相当する量なのだそうです。
「フィトンチッド」は、森の自浄作用ならぬ、まさに地球規模の自浄作用をももたらしてくれているのですね。
「フィトンチッド」は、時季によっても森林内でその濃度は異なります。
6月から8月にかけて、夏場の季節が最も多くなり、また1日の時間のなかでも、午後になるとどんどん地面近くまで降りてきます。
ということは、森の中で座ったり横になっていたりすると、より多くのフィトンチッドを体内に取り入れることができるというわけです。
ピクニックのように、森の中でシートを敷いてお弁当を食べたり、ただただリラックスしていたりするのがいちばんいいのかもしれません。
「マイナスイオン」に「1/Fゆらぎ」、そして「フィトンチッド」。
癒し効果のあふれる森の中に、ぜひみなさんも出かけてみてください。
自然の中で過ごす楽しみが、これでますます増えそうですね!
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